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07 /19 2011
だいそれた旅ではないけれど、ひとり旅に出ました。


場所。。。それは彼が亡くなり、失望した時に出かけた場所。

あの時はあてもなく、ふらふらと出かけて。

どこかに泊らなければならないと言う時に、小さな民宿を見つけた。

女性ひとりだというのに、民宿のご主人は暖かく迎えてくれた。

ご主人と奥さんとでやってる小さな場所だった。

他にお客さんがいたのかどうか覚えていない。

奥さんも、とても明るくて優しいお母さんみたいな人だった。

その居心地のいい場所で、私は抜け殻のようになった自分を見つめていた。

ご主人と奥さんは、そんな私に特別なことは何も聞かず、ただ暖かな夕食を差し出してくれた。

全然食欲がなかった私なのに、その時は少し食べられた。

夜も更けて、私は眠られずにいて、ふらふらと起きて外の空気でも吸おうと思って部屋を出ようとした。

そしたら、ガタンと大きな音が厨房の方から聞こえて。。。なんだかとても怖くなった。

こっそりとのぞいてみたら・・・そこにはご主人が倒れていて。。。

こんな時は揺らしちゃいけないんだ。とっさにそう思い、奥さんを呼ぼうとしたけど声が出なかった。

携帯の119番。気がついたら電話をかけていた。

けたたましい音がすぐさま近づいて、奥さんも起きて来て、救急車で運ばれて行った。

その夜は眠ることはできなかった。

しばらくして奥さんが帰ってきた。ご主人は軽い脳梗塞だったらしい。

発見が早かったので、命に別状はないとのこと。

良かった。心から思った。もう人の死なんて見たくない。

翌日、私はご主人にも会わないで、民宿を後にした。

そんなことがあったことも忘れかけていたある日。

私の元に一通の手紙が届いた。民宿のご主人からだった。

私のことを命の恩人だという手紙。お礼の言葉がたくさん並べられていた。

またいつか遊びに来て下さいとあった。

たくさんの魚介類も一緒だった。

それから暇をみて二度ほど出かけた。

ご主人は後遺症も残らず、以前と変わったところもなく元気だった。

私から宿泊代を取ることは、しなかった。

私はなんだか悪いなって思って、それからあまり出かけることはしなかった。

暑中お見舞いや寒中お見舞い、年賀状。いつもいつも届いた。

私のことを心配してくださる心が見えた。


そんな場所にまた行きたくなって、今回の宿に決めた。

ご主人も奥さんもとても喜んでくれて。

時間だけが過ぎて行ったのに、おふたりの暖かさも優しさも何も変わっていなかった。

変わったのは、疲れた私の心。

紗英ちゃんは、僕の命の恩人だからね~そう言ってにっこりと笑う。

その夜はご主人と奥さんと三人で遅くまで笑って、食べて飲んだ。

お二人にはお子さんがいなく、紗英ちゃんみたいな女の子欲しかったね。

なんて言ってくれる。

私は手厚く歓迎されて、日々の雑多な忙しさから解放された時間を過ごせた。

あの時のことは、お二人は何も話さないけれど、ひょろひょろとした顔色の良くない女が、

ひとりで民宿に来るなんて、普通じゃないってことはきっとわかっていただろうな。


今回のひとり旅のメイン。

元気なおじさんとおばさんの顔を見られて良かった。

いつまでもお元気で。。。。そう言って手を振って帰ってきた。

いつでも来なさいね。

そう言って、ずっとずっと手を振っていたおじさんとおばさん。


心がぽかぽかとした旅になって良かった。

人の暖かさと自然の偉大さと、海の美しさを心から感じることができた。

私はきっとまだまだ頑張れる。

そうだよね。






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コメント

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だいじょうぶ!

どこかでちゃんと見てくれている人がいる。
いつも気にしてくれている人がいる。
どんなときでも受け入れてくれる人がいる。

だから、ぜったいだいじょうぶ(*^^)v

どうして神様は、紗英さんのような人の為に尽くせている人に、いつも苦悩を与えるのでしょう。。。
乗り越えられる試練しか与えない。なんて言うけど
実際、不公平だと思っちゃったりします。
でも、私は思ってます。
人生きっと、苦しみが多い分幸せも多くなるって。
降り幅大きいと辛いかもしんないけどね。
情けは人のためならずって言うし、きっと紗英さんには
おっきな幸せまってるよ(^^)v

人生にはどこにターニングポイントが
あるのかわからない。
ちょっとしたきっかけが
何かを変えるかもしれない。

今回の旅が紗英さんにとって
そういう旅であればと思います。

こんにちは。
一期一会ですね。人との出合って不思議。
特に旅ではいろんな出会いがあります。
癒される場所があったり、気にかけてくださる人たちが居て、紗英さんは、ある意味幸せですね。

コメント有難うございました。
海外に居ると、日本や日本人や日本語が恋しくなるようです。故郷は遠くにありて思うものなのでしょうか?~

りゆうさん

こんばんは。
今回の旅はとても心穏やかになれた旅でした。
いろんなこと思い出して、振り返って。
自分はどうしたいのか、どうしたらいいのか。
そんなこと考えたりして過ごせました。
たまにこんな時間もいいなって思いました。

ちょんさん

こんばんは。
確かにいろんなことあって・・・・。
人さまより体験してることが多いかも知れないですね。
辛いことも悲しいことも、受け入れることが
生きていくってことなのかなって思います。
私の人生はこんなものなのかなって。
でも、諦めてるわけではないですよ~。
まだまだ頑張りますね。



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よっしーさん

こんばんは。
今回の旅は自分を見つめるって題しました。
大それたこと考えたわけでもないですし。
したわけでもないです。
でも、自分が心地よい場所、人、自然。
それがどんなところなのか考えるには良かったです。

ライリさん

こんばんは。
人との出会いって確かに不思議なものがありますね。
出会うべくして出会うなんて言いますけど。
その時その時に、必要だから出会うんだって。
そうなのかな・・・って思うことがあります。
別れがあれば、出会いもあって。
それは何も男女間だけのことではなくて。
人間として出会うことのできる人達。
大切にしたいなって思います。




saechandayo

弱虫で泣き虫な私。。。
でも・・・きっと天国で見守ってくれてると思うから。
頑張ります!